おもてなしの花

芍薬

2009 年 5 月 4 日 月曜日

                  花   白色芍薬
                  花器  唐津トチン
 

          たてば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花
          と昔から美女にたとえられております。
          牡丹程の華やかさは有りませんが、すっくと立って
          上に伸びて花を付ける姿は清清しい美しさです。

3寸あやめと姫うつぎ

2009 年 4 月 21 日 火曜日

               

                   花    3寸あやめ  姫うつぎ
                  花器   唐津さや

 

       いずれがアヤメ,カキツバタといわれるほどこれらは
       見分け難い花ですが、アヤメのほうが濃い紫色の花
       をつけ、葉は細く繊細です。
       カキツバタはアヤメより2、3週間程遅れて咲きます。
       時期が来ましたらカキツバタを生けてみましょう。

       すきっとしたアヤメに清楚で華やかな姫うつぎを配して
       みました。

紫蘭

2009 年 4 月 16 日 木曜日

                                                                     花   紫蘭
                                                                  花器  手提げ煙草盆

                   

                  禁煙、嫌煙で今煙草を吸う方は肩身の狭いおもいをしておりますが、
                もう少し大らかなやりようはないものでしょうか。
                わたくしも、以前は一日一箱ぐらい吸っておりましたが、喉を痛めて
                自然に止められました。
                禁煙、嫌煙と言葉を大にして、色々制限しても、吸っている方々を
                ながめておりますと、一向に止める気配はみえません。揶揄している
                ようです。
                煙草も適度に吸うのであれば、精神の落ち着き、気分転換の効用、
                間の上手なもたせ方等、利点もあると思います。

                 茶の世界では、寄り付きに煙草盆をおいて、その中の火入れで、その時
               の亭主の茶会の力量を見せるという粋な計らいをしますので、煙草盆
               火入れにはことのほか神経を使います。

               この煙草盆はごく普通の煙草盆ですが、出会ったときから花器で生かして
               みたいと想い大好きな紫蘭を活けてみました。

花みずきと山吹の花

2009 年 4 月 12 日 日曜日

               花   山吹、白山吹 花みずき
               花器  籠花活け

 

        花みずきは、大正4年東京市長の尾崎行雄氏が
        アメリカのワシントン市に桜を寄贈した答礼として
        アメリカから贈られた花です。日本の気候風土に
        合ったのでしょう。東京の到るところで見られる
        花です。
        伊予みずきや、日向みずきとは同じみずきとは
        言ってもまるで違った趣です。

       山吹は
           七重八重花は咲けども山吹の
              みのひとつだになきぞかなしき
       と、太田道灌と山吹の花伝説として有名な花です。
       一重の山吹は黄色も白色も真っ黒の小さな実をつけます。
       この実を活けますとまた風情のあるものです。

利休梅

2009 年 4 月 7 日 火曜日

                    花   利休梅 黒百合
                    花器  志野花入れ

 

         家の門の際に70cm位の苗木を6.7年前植えましたのが、
         土壌、日当たり等が適したのでしょうか。年々木は大きくなり、
         花を沢山付けるようになりました。
         木の下枝から咲き出して、次々と上に咲いていきます。
         沢山咲きますが、とても静で、凛とした佇まいです。
         利休さんを彷彿させるような花です。
         恋の花 黒百合を配してみました

あけび

2009 年 3 月 28 日 土曜日

              花    あけび
              花器  美濃鉄釉双耳掛け花入れ

 

       あけびはつる性で、他の木に巻き付いたり、自分で自分に巻きついて
       木はまるで縄を編んだようになっているものもあります。

       春は可愛らしい薄紫の花をつけ、秋は薄紫の実をつけます。
       実がはじける頃食べますと、淡い品のよい甘みが口いっぱいに
       広がります。

       つるは籠や細工物として、古くから利用されております。

       昨年11月6日に「もてなしの花」で公開しました白玉椿をいけた
       籠があけびの籠です

きぶしの花

2009 年 3 月 24 日 火曜日

                                             花   きぶし、貝母
                                          花器   大籠

        

         私の住んでおります狛江市は以前は小川が多かった
         のでしょうか。今はそれらを整備して遊歩道にして、両サイドに
         沢山の木々が植えられております。

        今のこの時期ですとたちどころに、木のものですと連翹、木瓜、
        伊予みずき、日向みずき、雪柳、木蓮、あかば李、利休梅、辛夷
         さんしゅう、椿、あけびの花、きぶし
        草花ですとシャガ、貝母、水仙、仏の座、等16,7種類の草花が
        目に飛び込んで参ります。
        このきぶし、貝母もそんな中の一種類です。

        行きは藪鶯の声を聞きながら多摩川の土手を2キロ程歩き、帰りは
       遊歩道の木々の花を楽しみながら歩きます。
        毎日命洗われる思いです。

   籠は「籠花活」と書かれた古い箱に入っております。

辛夷の花

2009 年 3 月 13 日 金曜日

                                    花   辛夷   椿(園芸品種)
                                  花器   唐津さや
                 

 

            白樺(しらかば) 青空 南風
            こぶし咲くあの丘 北国の
            ああ 北国の春
            季節が都会ではわからないだろうと
            届いたおふくろの小さな包み
            あの故郷(ふるさと)へ帰ろかな 帰ろかな

       この歌は千 昌夫が歌ってヒットした歌ですのでご存知の方も多いかと
       思います。

       かってこの花が農作業を始める目安になっていたようです。
       狛江にもところどころ農家の庭に大きな辛夷の木があります。目安にして
       いたのでしょうか。
       いまの時期、枝いっぱいに白い花を付け、天を衝くように、ほのかな香り
       を漂わせて咲いております。
       晴れた日は、空の青さと辛夷の白とが合いまって、それはそれは美しい
       光景です。

縄文注口土器に生ける

2009 年 3 月 13 日 金曜日

                                               花    土佐みずき  アネモネ
                                             花器   縄文注口土器
  

                 この器には小さく可憐な花を生けてみたいとおもい
               路傍に咲いている黄色の小さな花を生けてみましたが
               このアネモネのほうがずっと合いましたので、こちらを
               取り上げてみました。

春の息吹

2009 年 2 月 18 日 水曜日

 

               花   土佐みずき  コワ二ー
               器   新羅須恵器壷
      

       三寒四温のこの時期若芽、花芽が動き出し、日々成長していく様子
       をうち眺めるのはとても楽しいものです。
 
       新羅須恵器の壷は前にも見ていただきましたが、この様な枝ものの
       花をとても良く受け入れてくれます。今の時期紅梅、白梅、花桃と
       店で活けて楽しみました。

瀬戸麦藁文手焙り

2009 年 2 月 11 日 水曜日

          

                    花   水仙

                    花器  瀬戸麦藁文手焙り  
                         高さ  19cm 
                         口径  25.2cm
                         時代  幕末時代
        

        

        この時代、瀬戸では様々な器形に麦藁文様を描いております。
        飯碗、蓋付き碗、酢猪口、蕎麦猪口、徳利、手焙り
        等々、一世を風靡した文様だったのではないでしょうか。
        麦藁紋手焙りに水仙を生けてみました。
        今、まさに満開でほのかな香りを漂わせております。

新羅須恵器壷

2009 年 1 月 23 日 金曜日

                    花  羊歯の若芽  水仙
                   花器  新羅須恵器壷
                   寸法  高さ 33cm   口径 16cm
 

           日本の須恵器も、韓国の須恵器も須恵器は非常に花写りの
           好い焼き物です。

          羊歯の若芽を花屋さんで見つけ、丁度そんな時、この壷に出会いました。
          そうだ!玉垂れのあるこの壷に羊歯の若芽を生けてみよう、と思わず購入
          してしまいました。
         一足早い春を感じて下さいましたら嬉しく存じます。

                                                                          

藪椿と金柑

2008 年 12 月 23 日 火曜日

                    花    藪椿  金柑
                   花器   唐津トチン

        冬はまことに柑橘類の豊富な時期でございます。
        柑橘類には多量のビタミンC が含まれておりますので
        風邪を引かないためにもたっぷり召し上がりましょう
        金柑も今の時期たわわに稔っております。
        そのまま食べますと少し苦味がありますが、甘酸っぱくて美味しいです。
        砂糖煮やジャムにして保存をし、咳が出たときになめると咳止めの効果
        があります。
        昔から咳止めの民間薬として用いられています。

信楽蹲壷

2008 年 12 月 11 日 木曜日

                         器   信楽蹲壷
                       花   白玉椿 水仙

高さ16cmのまことに寸法の宜しき、赤肌の勝った、桧垣文のある
信楽蹲壷に清楚な白玉椿と水仙を生けてみました。

唐津トチン

2008 年 11 月 28 日 金曜日

                    花   白玉椿、 藪椿
                    器   唐津トチン 高さ 24cm
 

唐津のトチンでは、高さ14~15cm位で、何度も焼いて自然釉がたっぷり
掛かって花活けに使用できるものをまま、見かけますが、この様に高さと
径のあるのを私は見たことがありませんでした。普通のトチンを二つ重ね
て高さを出しています。備前のような焼きシメ肌の中に白磁の釉が垂れて
景色を添えております。
  

残菊

2008 年 11 月 12 日 水曜日

                              花  小菊
                              器  朱塗り片口

    うすくこくうつろう菊のまがきかなこれも千草の花とみるまで
                     「草庵集」   頓阿法師

 

白玉椿

2008 年 11 月 6 日 木曜日

 

                                  花   白玉椿
                                  籠   あけびの蔓籠

 

白玉椿が咲き始め、一段と冷え込んで参りました。

セイロン ライティア

2008 年 10 月 24 日 金曜日

                                    花       セイロンライティア ほととぎす 水引
                           花器   曲げ物の弁当箱

早朝の多摩川の土手をウォーキングしておりますと朝靄の中に川面から立ち
上がる湯気が仄見えて、秋の深まりを覚えます。

吊花

2008 年 10 月 7 日 火曜日

                                               花  吊花
                                              花器 美濃鉄釉双耳掛花入れ

 

道を歩いておりますと、金木犀、銀木犀の甘い香りがどこからとも
漂ってきます此の頃でございます。この香りがするころは、
秋の深まりを覚えます。

今回は庭の木の吊花を生けてみました。
初夏に小さな白い花をつけますが。この時はなんでもない
目立たない花ですが、秋になり実がはぜる頃になりますと
俄然に自己を主張し出します。
私には、精一杯自己を主張して吊下がっているこの実が
いとおしく、美しく見えます。                  

彼岸花

2008 年 9 月 25 日 木曜日

                             花    彼岸花

                             花器   石皿

別名 曼寿紗華 という美しい名前がありますが、秋の彼岸ごろ咲くので
この名前があります。
今、多摩川の土手にも所々群生していて、土手をウォーキング、ジョギング、
犬の散歩をしている人達の目を楽しませてくれます。くっきりした秋の空に
彼岸花の鮮紅色が映えて、美しい光景です。

                           

2008 年 9 月 10 日 水曜日

      

                花器       魚籠

                花         薄 鶏頭 竜胆 小菊

 薄の穂が日に映えてとても美しい、気持ち良い季節になって参りました。

                         前回と同じ花器を使用しまして失礼します

魚籠

2008 年 8 月 31 日 日曜日

 
                       花入れ    魚籠
                       花      野ぼたん  山葡萄

ここ1週間曇天、雨が続きましたらすっかり気温が下がり、涼しくなって来ました。
集中豪雨で被害にあわれました方々に心よりお見舞い申し上げます。

私は健康維持のため毎朝5km位を早足でウォーキングしております。通常は多摩川の土手を歩きます。時には土手に咲いている草花に見入ったり、摘んだり、光や、風や川音の変化を身体全身の感覚で受け止めて、天地の壮大な氣を頂くような思いで歩いておりますと、生きている喜び、感謝の念に包まれることがあります。気持ちが落ち込んだり、むしゃくしゃした時,自信を無くした時、体力低下の時、思い悩んでいる時などには率先してウォーキングしてみると宜しいかとお勧めします。1時間も歩きましたらそれらの悩みは解消されて新たな意欲が湧いてきます。これが習慣化しましたら、筋力増加に伴い、体力は増進し、脳細胞も活性化して、プラス思考にきり変わると、良いことずくめです。

      

鉄製灯火器

2008 年 8 月 23 日 土曜日

     

                                                    花     やぶがらし

                                                   花器     鉄製灯火器     

                                                   器   初期伊万里蘭の手盃

 

   赤々と 日はつれなくも 秋の風          松尾 芭蕉

花の名は、やぶがらしと言う不名誉な名前をいただいておりますが、 草花を覆いつくす程の繁殖力、生命力を持つ強い蔓性の植物です。名前とは反対にかわいらしい花をつけます。よく観てみますと、手入れの良く行き届いた庭や垣根などにははびこっておりません。いつも心のお手入れを怠りなく生活出来ましたら宜しいですね。

利休七則を思いつつ花は野にあるように活けて見ました。

利休七則

1、 茶は服のよきように点て

2、 炭は湯の沸くように置き

3、 花は野にあるように

4、 夏は涼しく冬暖かに

5、 刻限は早めに

6、 降らずとも傘の用意

7、 相客の心せよ

この七則は茶道の心得として重要事ですが、よくよく味読しますと、相手の立場にたって思いやる心の持ち様、工夫を述べております。この精神は人生万般に通用するのではないかと思います。

茗荷の花

2008 年 8 月 16 日 土曜日

花     茗荷の花
器     ビードロ型吹き輪花盃
盆     木地糸目盆

 

残暑お見舞い申し上げます
この時期素麺などの薬味として、味噌汁の実としてよく使われますが、売っていますものには花が付いておりませんのでこんな愛らしい花が咲いているとはご存じない方もおおいとおもいます。茎の群生をかき分けますと、地上に花が咲き茗荷のありかを知らせてくれます。
昔から「茗荷を食べると物忘れがひどくなる」とよく言われますが、これは、お釈迦様の弟子のチューラパンダカが、自分の名前さえ忘れてしまうので、お釈迦様は名札をつけて忘れないようにさせましたが、その名札を付けていることさえも忘れてしまう、とうとう死ぬまで自分の名前を覚えられなかった。というその弟子が亡くなったその墓に咲いていた花で「彼は、自分の名前を荷って苦労してきた」ということでこの花の名前に茗荷とついたそうです。
茗荷と物忘れとの因果関係はないそうですので、夏の風味として大いに召し上がって下さい。

ここでお釈迦様の話が出ましたので、原始仏教の経典 法句経 の言葉を挙げさせて頂きます。

    第十二品  自己
      160
      おのれこそ       おのれのよるべ
      おのれを措きて    誰によるべぞ
      よくととのえし      おのれこそ
      まことえがたき     よるべをぞ獲ん

美濃鉄釉双耳掛花入れ

2008 年 8 月 7 日 木曜日

花    宗旦木槿
花器   美濃鉄釉双耳掛花入れ

高さ   17、5cm

宗旦が愛好したところから、この名が出たということです。
一日花ですので、飾るタイミングの難しい花です。
街路樹、庭木として多く植えられていますので、どこでも目に触れることが出来ます。白、紫、日の丸とあります。
気品がありまして、夏の暑さをひと時忘れさせてくれます。

杵形掛花入れ

2008 年 7 月 20 日 日曜日

 

                                   木製 杵形掛花入れ 高さ 26、5cm
                                    花  百合

皆様今日は。ようこそいらっしゃいませ。
まず玄関で花がお出迎え申し上げます。
花の風情と共に、季節の移り変わりを感じ取って頂ければ嬉しいです。