つきぬき忍冬
花 つきぬき忍冬
花器 籠掛け花入れ
忍冬唐草は日本の古代の仏教美術の文様に始まって
金工品、漆芸品、染色品と古代から近代まで幅広く
愛され、使われ続けております。
この木は大変繁殖力が強く、年ごとに花をたくさん
付けます。
この故に古代から、繁栄、繁殖を願って文様として
愛され続けておるのでしょうか。
私はこの花を観るたびに、亡き母の優しい顔を思い
出します。
まだ母が丈夫な頃、年に1~2回私の家に遊びに来
ておりました。
その時もそぼ降る天気でしたが、母と二人、家の周
りを散歩している時でした。よその家の塀に沿って
このつきぬき忍冬の花がびっしりと満開に垂れ下が
っておりました。
それを観た母の顔は満面の笑みで何と美しいでしょ
うと暫く花を見上げてそこに佇んでおりました。
私はその時まで、その花の名前を知りませんでした
ので、なんという名前と聞きましたら つきぬき忍冬
だよと優しい声で教えてくれました。