野菊
花 野菊
花器 台形竹籠掛け花入れ
吐く息が白く見える程に、ぐっと冷え込んできました。
行く秋を惜しむかの如くけなげに咲いている野菊の花を
眺るにつけ心潤う思いがします。
昨今は観賞用に大輪の菊がもてはやされておりますが、
それらは、華やかで晴れ晴れしいですが、品評会にも出さ
れる程ですので、競う心が見えて私の心にはなじみません。
やはり和の空間には小菊が似合うように思います。
この竹籠は編み方は極々平凡ですが、上が丸く、下が
扁平 で高さもありますので、花を盛るのに相応しい籠と
思います。
黒く煤けた色の中から飴色の光沢ある竹が覗いておりま
す。
これを取り上げた先人の目と共に愛情の深さを感じます。